情報元 https://www.negitaku.org/news/n-27257
『Fnatic』で戦略分析リードを務めるRoss Rooney氏が、メジャー前にロスターを変更した理由やチームの方針について説明しました。
Ross氏による説明動画
動画は34分ほどあります。
概要をまとめて紹介しようと思ったのですが、非常に面白い内容で、中身をしっかり知ることでFnaticの考えや方針をよく理解することができると思い、すべての内容を下記で紹介します。
ざっくり内容だけ知りたい方は、以下のポイントをご覧ください。
ポイント
- メジャー獲得後にCYPHERをスタメンから外し、jackasmoを起用することを発表
- その判断についてコミュニティから批判が集中
- 今回の動画で理由説明やファンから寄せられた質問に回答を実施
- メンバー変更は、目前のメジャーのみではなく、2026年シーズンまで見越した上での決断
- 2026年シーズンを最高の形でスタートするには、Valve Regional Standings(VRS)のポイントを獲得し、2026年1月5日の招待チーム発表で招待枠に入る必要がある
- jackasmoの起用は、2026年シーズンを見据えた体制やメンバーの意志などを踏まえた結果
- CYPHERが選手として劣っているわけではなく、状況に合わせた決定
- 現在は、IGLのfearを中心とした「fearのチーム」とした運営体制となっている
動画の内容
※見出しは運営者が付けたものです
Rossです。Fnaticで戦略分析リードを担当しています。
ここロンドン本社のセントラルチームで密接に連携して働いています。ロスター構築、リクルート、スタッフ配置などに関するデータ分析を行なっています。
『CS Asia Championship』の手応え
―― CS Asia Championshipはベスト6でした。期待通りの結果ですか?チーム構築の進捗には満足していますか?
Ross
期待通りの結果かと言われると、難しいです。
IGLのfearは「目標はプレーオフ進出」と言っていて、そのとおりの結果になりました。
調整を加えた新しいメンバー構成、練習期間は2日のみ、新たな役割が機能するかという不安がある状態でした。どのくらいの結果を期待するか難しいところでしたが、最終的なチームのパフォーマンスには満足しています。
負けてしまった試合も接戦で、パフォーマンスも出ていたと感じました。
大規模な賞金プールの大会でプレーオフに進出するのは久々でしたし、全体的にかなり満足のいく結果だったと思います。
jackasmoをスタメンに採用した理由
―― jackasmoをチームに加えた決断について教えてください。どのような選手ですか?チームが今後のメジャーサイクルの中でがどのように進化していくと考えていますか?
Ross
非常に難しい決断でした。「jackasmoの起用を継続する」という選択肢が現れ、『CS Asia Championship』や今後の大会に向けて、どのメンバー構成が最適なのかを検討しました。
※補足:jackasmoは『Frag Blocktober 2025』にスタンドイン出場し、良いパフォーマンスを発揮していました
メジャーへの出場権を獲得したばかりでチームが良い流れであったこともあり、簡単な決断ではありませんでした
jackasmoがチームにフィットし、求める人材であることはわかっていました。本当にチームに適応する選手かどうか、長い間観察していました。
『CS Asia Championship』での起用について、「jackasmo & CYPHER」「jackasmo & KRIMZ」の組み合わせで議論しました。
最終的に、チームとスタッフの多くが「jackasmo & KRIMZ」を試したいという意見でした。
KRIMZとjackasmoは、性格や役割の面で相性が良いだろうという考えでした。
私たちの認識として、jackasmoはKRIMZと似た役割を担当し受動的に動く選手です。しかし、jackasmoはCounter-Strikeの世界では子供のようなものです。最近18歳になったばかりです。
KRIMZとjackasmoの役割は似通っています。しかし、jackasmoが攻撃的な役割を担当することができないわけではありませんし、チームメイトがサポートにまわることも可能です。それが最終的な結論でした。
『CS Asia Championship』ではblameFがテロリストサイドでよりアグレッシブな役割を担当し、jackasmoも自然に溶け込んでいました。
そして、fearの「チームの中で何を機能させられるかというビジョン」「勝利のためには何でもする」「チームメイトのパフォーマンスを最大限に引き出す」といった能力が『CS Asia Championship』では明確に示されたと思います。
本当に難しい決断で、眠れないこともありました。残酷であるとも感じます。
今回の決断は、CYPHERが問題なのではありません。
チームのプレースタイルと、リーダーシップグループが『CS Asia Championship』に向けてどの構成が最善かという判断によるものでした。
jackasmoを起用しCYPHERを外すことは、『CS Asia Championship』の後に正式決定しました。
大会後、リーダーシップグループと大会現場での状態、スタッフがパフォーマンスについてどう評価したか、大会に向けた準備のレベルなどについて振り返りを行ないました。jackasmoの起用は上手くいっていて、パフォーマンスのレベルにも満足だということで意見が一致しました。
練習できたのが2日間のみだったことを考えると、チームには多くの可能性があります。
jackasmoを含めた構成を継続するべきというのが共通見解でした。
『CS Asia Championship』の前は、CYPHERのようにボムサイトに突入し、味方のためにスペースを作る役割がいない、ということが懸念点でした。
しかし、CYPHERなしでも上手く機能することが証明されました。グループステージを勝ち抜き、パフォーマンスも良好、役割にも上手く適応しました。
結果として、jackasmoを含む5名でメジャーに挑みたいという結論になりました。
Counter-Strikeの「ロール」について
―― チームを組み立てる時にロールはどのくらい重要な要素ですか?ロールは関係なくAIMが強い選手を集める方が重要でしょうか?
Ross
Counter-Strikeにおけるロールは本当に存在するのかという質問がよくありますが、実際にあります。ただ、それは状況によります。
個人的な意見として、1,000試合以上の経験があり、20代半ばのような選手をパッシブなラーカーからエントリーに転向させるようなことは現実的ではないと考えています。ですから、そのようなコンバートを行うことはありません。
しかし、今回のjackasmoのケースは違います。Counter-Strikeの世界ではまだ子供のような存在で、キャリアも短く、統計的な観点からこれまでの役割以上の成果を上げることできる資質があります。
jackasmoはPassion UAでロールを固定せずパッシブなアンカーを任せられていましたが、他の役割も充分こなすことができる選手です。
そのような背景と、jackasmoには18歳という若さと多くの伸びしろがあるからこそ、jackasmoをスターティングメンバーに起用するという決断を下しました。
チームにとって何が正しいのか、理にかなっているかは時が経てば明らかになると思います。
現在のロスターが、お互いを補い合える関係であることもわかるはずです。
現時点では、練習の状況に満足しています。『CS Asia Championship』でのパフォーマンスも素晴しいものでした。
チームは良い状態で、新体制でプレーすることを楽しんでいます。
Counter-Strike部門にとってエキサイティングな時期である一方、今後に向けて多くの重要な課題が待ち受けています。メンバー変更のような決断を下すときには、今後の展開を考慮することが重要な要素となりました。
「メジャー出場で今年の目標を達成した」ということにはなりません。
Fnaticの2026年シーズンは、メジャー大会、PGL Masters Bucharest 2025やCS Asia Championship出場が決まった瞬間からすでにスタートしています。
『CS Asia Championship』ではランキングのポイントやいくつかの勝利を手にしました。今後の大会は、次のメジャー大会出場権を手にしていく上で重要になってきます。
メジャーに出場し、その後に2026年シーズンが始まるのではありません。
2026年シーズンはすでに始まっていて、2026年1月5日の時点でランキング上位に位置している必要があります。
ですから、「最大のパフォーマンスを得ることができるか」というスポーツ的な観点でロスターやスターターを決定しなくてはならないのです。
そのような経緯でjackasmoを起用しCYPHERを外すという結果になりました。非常に難しい判断でした。
メジャーの出場権を獲得した同じ5人をスターターにする方が、公平で無難だと思うかもしれません。
確かに、6人の選手全員がメジャー出場権の獲得に貢献したということもできるでしょう。
しかし、FnaticはCounter-Strike競技シーンでの生き残りを賭けた戦いを行なっているのです。
2025年はFnatic Counter-Strike部門にとって本当に厳しい年でした。
メジャー出場を決めたのもギリギリでした。
直前のLAN大会では無名のポーランドチームに負けたほどで、本当に厳しい年でした。
だからこそ、チームを良くするために必要な厳しい決断を下さなければならない時があります。
その決断が決断が心地よいか、簡単であるかは関係ありません。
最も重要なのは、選手、チーム、ファン、Fnaticのために最善の決断を下すことです。
「このまま同じロスターでいきましょう」というのは簡単で楽な決断でした。
しかし、選手たちが「新たなロスターでプレーしてみたい」「この選手とプレーしたい」と思っているならば、私たちはその機会を提供することが誠実で正しい判断です。
困難な決断を迫られ、不快だと受け取られる結果になる場合もありますが、それがスポーツというものなのです。
ロスター変更について「これがスポーツとして正しい判断か」という議論が世界中で行なわれたのは素晴らしいことだと思います。
jackasmoとCYPHERのどちらを起用するかは、本当に紙一重の判断でした。
白黒をはっきりつけられるような決断ではありませんでした。
HLTV.orgトップ20に入るような有力選手を獲得して役割を引き継がせるという、誰もが納得する決定とは全く異なるのです。
現在のFnaticは、誰もが納得する安易な決断をできる状況にありません。
どのような改善にも取り組み、チームを成長させていかなければなりません。
その結果、ファンのみなさんには受け入れがたく、理解できない決断が下されることもあると思います。しかし、これがスポーツなのです。
メジャー大会に出場するメンバー
―― メジャー大会に出場するロスターは決定しましたか?
Ross
先のような背景があり、PGL Masters Bucharest 2025とメジャー大会の両方でjackasmoの起用を継続するという決断を下しました。
※KRIMZ、blameF、fear、jambo、jackasmo
『CS Asia Championship』でのパフォーマンスに驚くと共に、とても満足しています。
この構成でうまくいくのかという不安もありました。現在では、いまのロスターならばいけると確信する意見で一致しています。これまでは、自信を持って強いチームだと言えない状態でした。
FnaticのCounter-Strike部門にとって、今後の数週間、数ヶ月が極めて重要となります。次のメジャー大会や、IEM Kraków 2026、IEM Brazil 2026の大会出場を左右するものとなるからです。
PGL Masters Bucharest 2025に向けた新体制での練習期間は数日しかありませんが、全力で取り組む必要があります。
そのあとは、数週間準備期間を取り、ロンドンでブートキャンプを実施してメジャー大会に出場する計画です。とても楽しみにしています。
fearを高く評価、IGL主導スタイルのチーム運営を採用
――fearはFnaticに加入後、IGLとしてどのように成長してきましたか?ティア1で役割を果たすことができるよう、どのようなサポートをしてきましたか?
Ross
Rodion(fear)は、これまでにeスポーツで出会った中で最も印象的な人物の1人です。
fearが担当するIGL(インゲームリーダー)という役割は、eスポーツで最も難しい役割の1つです。
これまで多くのIGLと話をしてきましたが、fearと初めて会ったとき、珍しいタイプの人物だと感じました。ゲームでのプレーを見ているだけでは、fearがなぜ特別なのかは伝わらないかもしれません。
プレーの様子から感情を出すことや反応の鋭さを感じることはできますが、fearが特別なのはそこではありません。eスポーツではあまり見ることがない、伝統スポーツの有力選手が持つ本質的なリーダーシップを備えている点が特別なのです。
fearに直接会い、fearのゲームに対するビジョンや、Passion UA在籍時に若い選手達に多大な影響を与えて、CISの若手たちがfearと同じチームでプレーしたがっているのを見て、fearを中心にチーム作りをしていきたいと思わされました。
fearの特別な資質、そしてFnaticが過去の過ちから学んだことは、Counter-Strikeやeスポーツで成功するチームには2つの考え方があるといことです。
1つはコーチやバックルームスタッフを中心に運用されるチーム、もう1つはインゲームリーダーのビジョンを元に運営されるチームです。
これまでのFnatic国際ロスターのほとんどは、コーチ主体で構築されてきました。コーチのビジョンに基づき、コーチが指揮を執ってきました。
しかし、fearはその体制を完全に覆しました。
IGL主導でうまくいっているチームの例は、karriganのFaZe Clan、apEXのTeam Vitalityがわかりやすいでしょう。
IGLこそが真のチームリーダーで、コーチングスタッフはIGLをサポートする役割です。
IGLの考えこそチームのビジョンであり、チームそのものなのです。Fnaticもfearと共に同じアプローチを取る形としました。
fearがチームに加入した頃の話です。当時、私たちはそのような考えを持ち合わせていませんでした。間違った体制となった結果、fearが自由に立ち回れない状態になっていました。
そこで、現在のIGL主導体制にシフトしたのです。
いまのFnatic Counter-Strike部門は完全にfearのチームであり、スタッフはfearのビジョンを支えるためにサポートしています。
そして、この変更による成果が現れ始めていると感じています。
Fnaticの選手獲得方針
―― 新しい才能を発掘するとき、選手に求める重要な資質はありますか?
Ross
たくさんあります。選手を探す際は、何が手に入るか、何を必要としているか、何を実現できるかの組み合わせで判断します。
必ずしも必要な要素を持つ選手が取れることはなく、ほぼ必ず妥協点が発生します。
その中で、どの選択肢が良いかを慎重に見極めることが重要となります。
データと分析を使うことによって、候補選手がその役割に適任か、パフォーマンスを期待できるかを判断しやくなります。
この部分の判断は比較的簡単ですが、最も難しいのはコミュニケーション能力の見極めです。
Counter-StrikeやチームFPSではコミュニケーションが非常に重要な要素で、コミュニケーション能力を適切に判断するのは非常に難しいことです。
声を出す選手とそうでない選手の組み合わせ、アタッカーとサポートのバランスが大切になります。
コミュニケーションが得意な選手は重要ですが、その数が多くなりすぎるとそれはそれで問題が発生するため、非常に難しいところです。バランスがとにかく重要です。
選手のコアな属性で判断する場合、実績がありパフォーマンスを得られることが明らかな選手と契約することができます。
blameFと契約した際に得られるパフォーマンスは明確でした。長年の経験を持ち、安定したパフォーマンスを発揮することができる選手です。
そして、中堅層の選手もいます。飛び抜けたパフォーマンスを発揮する選手ではありませんが、堅実で実用的なパフォーマンスを保証してくれる選手です。
最後がワイルドカードな選手です。大きな可能性を期待できる一方、将来は未知数という若手になります。
選手獲得を検討する際、私たちの場合はハイレベルであることが証明されている選手か、将来性のある若手のどちらかを選びます。
求めるのはblameFのように、チャンスがあれば獲得することができて、ハイレベルでプレーし、パフォーマンスが保証されている選手です。しかし、このような選手はなかなか見つからない上に、獲得するのも非常に難しく、タイミングが必要になります。
もう一方は若手選手たちで、不確実性はあるものの、すばらしい可能性を秘めています。
私は、プロとして1,000試合以上プレーしている中間層選手との契約することはあまり好きではありません。さらに成長する可能性が低いですし、パフォーマンスもそこそこです。
中間層選手を獲得せざるを得ない場合もあります。特定の役割を確実にこなしてくれるという意味では価値があります。
期待できるトップ選手や若手選手を選ぶことができるならば、その方が好みです。
もちろん、どちらの選択もトレードオフです。
トップ選手の獲得は非常に高額で、獲得するのが難しくコストが掛かります。さらに、チームに加入することを検討してもらうこと自体が難しいのです。
一方、まったく実績のない若手を加入させようとする場合、既存メンバーを説得するのが難しいです。不確実性のリスクがあるからです。選手たちは、できるだけ確実な環境を求めています。
常に選手たちとの駆け引きになるのですが、これもロスター構築の面白さです。
新体制におけるコーチの役割
―― Independentをヘッドコーチに起用した決め手は?
Ross
これまでkeitaやcasleといったコーチがいて、それぞれのビジョンやスタイルを持ちチームに浸透させるスタイルで運用してきました。この方法でうまくいく場合もあります。
fearのような明確なビジョンと強力なリーダーシップを持つ人物がチームに在籍している場合、eスポーツでは非常にレアなケースですが状況が異なってきます。
一般的に、IGLに明確な方針を与えることができるコーチングスタッフを持つのが理想です。多くの場合、IGLは偶然担当したり、必要に迫られて引き受けている場合が多いからです。
しかし、fearは生まれながらのリーダーで、リーダーの資質を備えています。誰かに役割を強制されなくてもすでにリーダーなのです。
fearは自ら責任を負い、チームメイトに気を使い、チームを率いることができるという、eスポーツでは滅多に見ることができない資質を備えています。
fear主導の体制としていくには、fearの役割を支えることができるコーチが必要になります。チームはfearのものであり、コーチの役割はfearの存在を高めることです。
コーチは試合中に何をするかを指示する役割ではなく、fearの能力を高め、必要なリソースを提供する存在である必要があります。
コーチにとって重要なのは、fearのニーズを理解し、貢献者としての役割を担うことです。
現在コーチを務めるMiks (Independent)はfearと上手く関係を構築し、素晴しい成果を出すことに貢献しています。
Miks (Independent)は若く、ヘッドコーチの役割に対する先入観がありませんでした。
Miks (Independent)は必要なサポートを行なうことでfearとの関係性を発展させ、インターンを経てヘッドコーチの役割を担っています。
このような動きは必要に迫られて起こったことでした。Miks (Independent)自身が的確にニーズを理解したことによって成り立った関係性なのです。
現在のコーチ体制は、以前とは全く異なります。Miks (Independent)は経験こそ浅いものの、達成してきた結果を見れば異論を唱えることはできません。
Fnaticはこれまで世界中のオフライン大会に出場し、一貫して優れたパフォーマンスを発揮してきました。
チームに本物のシナジーが発生していることは疑いの余地がありません。
Fnatic CS部門の運用体制
―― 選手・コーチ・マネジメント間の結束はどのようにして実現されていますか?
Ross
その点について少し詳しくお話します。まず、チームディレクターのSamuelssonがチームに大きな影響を与えています。現在と過去の体制にも違いがあります。
以前は、ロスター変更に関する決定を行なう際に、私がSamuelssonと直接やり取りしていました。
選手たちに決定権を持たせることについて信頼がなかったわけではありません。新メンバー決定のプロセスに選手を深く関わらせることは、時に難しい場合があります。
現在のfear体制では違います。いまのFnatic Counter-Strike部門はfearのチームであり、運営陣もそうあってほしいと願っています。
私たちは、fearが成長していくための体制を提供したいと考えています。
fearは他のトップチームを率いるベテランIGLと比べればまだ非常に若い存在だからです。
その一環として、チームに関する様々な意志決定にfearを関与させています。
fearが持つ大きな価値の1つは、同地域の選手達が一緒にプレーしたいと思う、魅力的な人物であるということです。
fearの出身地であるCISは、現在のCounter-Strikeシーンにおいて、優秀な若手プレイヤーを最も輩出しています。
fearはNAVI JuniorやPassion UAで多くの若手とプレーしてきました。
fearは彼らに一緒にプレーしたいリーダーとして認識されています。
チームの将来を構想する際に、fearのような人物と密接に協力できるのは、非常に貴重なことです。
自分自身、コーチ陣、Andreas (Samuelsson)といった全員が、fearと同じビジョンを共有しチームの構築と発展に取り組んでいます。
そして重要なのは、fearがロスターついて考える判断と、チームメイトとの接し方を完全分けることができている点です。
fearは完璧なプロフェッショナルです。
現在のFnaticは体制が大きく変わりました。過去の寄せ集めロスターとは比べると非常にエキサイティングなチームです。
現在は、どこを目指すかのビジョンが明確です。
目標に向かうために必要な人材も揃っています。
Fnaticに大きな信頼を寄せてくれているfearに報いるためにもビジョンを貫き、結果を出すことが重要です。
fearはFnaticを大舞台に引き戻し、より高いパフォーマンスを発揮しようと熱心に取り組んでいます。
ロスター変更はどのように決定されるか
―― ロスター変更はどのように決定しますか?選手・コーチ・Samuelssonは関与していますか?チームが独断で決定しますか?
Ross
Counter-Strikeの競技シーンは、VALORANTやLeague of Legendsと異なります。オフシーズンがほとんどありません。常にシーズンが続いているような状態です。
メジャー大会の予選結果に合わせたチームのメンバー入れ替えや再編といった節目はありますが、年間を通じて常にトーナメントが開催されていて、オフシーズンのようなものが存在しません。
「プレイヤーブレイク」という選手の休暇は存在しますが、実際のところ常にシーンを注視し、どんな選手を獲得可能か移籍市場を注視していなければなりません。Fnaticは常にこのようなアプローチを続けています。
選手のみなさんには、最高のチームメイトを探すために、Fnaticは常に動いていると知っていただきたいと思っています。
選手たちに「Fnaticの運営陣は何もしない、問題が起きたり、プレーしたくないと思う選手が出てきたり、パフォーマンス低下が発生するまで行動を起こさないチームだ」と思われるような状況になることは絶対に避けたいと思っています。
より優秀な選手を獲得するチャンスがあれば、必ず獲得に動きます。
Fnaticという組織、チーム全体のために最善を尽くす必要があります。
そのような場合の決断は難しく、時には残酷と思われることもあります。しかし、それがスポーツというものです。
私たちがチーム強化のために行動せず、そのチャンスを逃すことは選手たちに対して不誠実です。
私たちはエージェントと年間を通じて継続的に取り組みをしていて、各選手の契約終了時期を注視しています。Counter-Strike競技シーンには、契約情報をまとめた公開データベースが存在しないからです。
また、所属選手たちにチームに不満を感じていないか、移籍に関心があるかなども確認します。
Counter-Strikeの競技シーンは、常に動き続けています。
データ分析、定性的なインタビューを組み合わせて選手の評価を行なっています。常にFnaticは常に移籍市場をチェックしている、これは組織の内部で共有されている考え方です。
選手たちも、誰も安全ではないこと、それがスポーツの本質ではないことを理解しています。
スポーツ組織では、どのような役割の立場も安泰であるべきではありません。
いまのチームメンバーよりも優れた選手が存在する可能性を常に追求するべきだと考えています。
そのような選手が存在してFnaticに関心を持つ可能性があるにも関わらず、私たちが積極的に全力で獲得に動かないのであれば、現在の選手たち、コーチ、Fnaticという組織、そしてファンのみなさんに対して不誠実です。
ですから、私たちはマーケットを常にチェックしています。私、●●(明確にわからず)、Patrik(cArn)が裏方として動き、チームが機能していくよう努めています。
選手獲得が現実的な段階になるまでは、チームに共有しません。
「この選手はどう?一緒に取り組みをしてみたい?」と、コーチ、マネジメント、チームディレクター、選手たちに毎回聞いてまわっているわけではありません。
自分たちで、その選手がチームのためになり、一緒にプレーしたいと思える選手かどうかは見極めることができる立場だと思っています。
獲得が具体的な段階になり、所属元のチームやエージェントの確認を得るまでは、詳細を選手たちに伝えることはできません。
本当に獲得が現実的な状況かを確認します。その後、スタッフにも共有して話を進めていきます。
このような場合、fearとは密接に連携しています。移籍市場には私が把握していない部分もあります。fearはCISコミュニティやウクライナのプレイヤーに詳しいため、選手獲得について大きな強みになっています。
メジャー出場達成と2026年シーズン
―― メジャー出場権を獲得したことについての気持ちと期待についておしえてください
Ross
長い夜でした。(メジャー出場決定時は)ここ数年で一番長く起きていたと思います。
寝たのは朝7時くらいだったと思います。
メジャーまでの道のり、Valve Regional Standings(VRS)への対応については課題があります。
とはいえ、メジャーの出場権を獲得できたことはとても嬉しく思っています。
メジャー出場はまさに目標でした。matysをG2 Esportsに売却したあとでメジャー出場を実現するのは本当に困難な挑戦でした。
幸運なことに、CYPHERをすぐに獲得して体制を安定させることができました。
スタッフや選手たちはすばらしく、matysがG2 Esportsに移籍しても落胆せずチームを成功に導きました。大会と遠征が続く中でも不満を口にしたことはありませんでした。
今年は150マップ以上の試合をこなしているはずです。
本当にすばらしく、メジャーに出場できて嬉しく思っています。
しかし、今年は本当に厳しい年でした。ファンのみなさんも同じように感じているでしょう。
2025年シーズンはVRSのランキングが低い状態からスタートしました。
クローズド予選を通過して大きなイベントに出場し、それを足がかりにしていく必要がありました。そして、最後のハードルを飛び越えることがなかなかできませんでした。
年間を通じて、重要な大会の出場権をかけた最後の試合で負けてしまい、予選を通過できないことが続きました。
前半シーズンは何も上手くいかず、夏頃にいくつかのLAN大会に出場できるようになりました。DraculaN #1 優勝、Betclic Clash Summer準優勝しました。
チームは何度も出場したティア2大会で良い結果を出しました。
fearはこのようなLAN大会で優れたリーダーシップを発揮します。
jamboもオフラインで強みをだすことができる選手です。
大会に出場し続けましたが、チームの転換点となる結果はでませんでした。シーズン前半のメジャー出場は叶いませんでした。
後半シーズンはギリギリで出場が実現しました。これで、2026年シーズンで成功するための基盤が整いました。2026年も苦しい状態でシーズンを迎えることを心配していました。
今後は、PGL Masters Bucharest 2025とStarLadder Budapest Major 2025に挑みます。
2026年は次のメジャーに出場し、ティア1大会でプレーできるチャンスと共にスタートできる基盤が整いました。
この年末はチームにとって非常に重要です。
2026年1月5日に発表される招待は、次のメジャー出場に大きな影響をもたらします。
Fnaticはこの招待リストに入る必要があります。招待リスト入りを確実にしなければなりません。
現在は、招待を獲得を実現できる基盤があります。
そのために全力尽くさなければなりません。
久しぶりにFnatic Counter-Strike部門を追いかけることがエキサイティングな時期がやってきました。
目標までの道のりはまだ長いですが、いまのチームにはキーとなるピースがそろっています。ここ数年は、このようなことは言えない状況でしたから、今後が本当に楽しみです。
国際ロスター維持か、ウクライナ構成移行か
―― 国際ロスターの方針を維持していますか?ウクライナ選手のみのロスターへと移行している過程ですか?
Ross
夏にmatysをG2 Esportsに売却し、CYPHERを急遽獲得しました。
CYPHERは獲得できる中で最高の選手でした。
これがCounter-Strikeでやっているやり方です。
ロスターを改善できるチャンスがあれば、迷わずジャンプして両手で掴みにいかなければなりません。
明日の朝になって「完全にラテンアメリカチームにする」となり、それがFnaticの競争力を高める最善策になるのであれば、実行するでしょう。「しかし…」という選択肢はありません。
fearはこれからのFnaticに欠かせない人材だと考えています。
非常に印象的な人物で、チームに対するビジョンと物事をうまく機能させていく能力は本当に魅力的です。
問題があればすぐに解決方法を探す、やればできるという、いまのeスポーツシーンでは非常に珍しい姿勢を持ちあわせています。
fearがチームに在籍し、タイトル獲得に対する野心を持ち続けている限り、Fnaticは間違いなく成功できると思います。
現在のFnaticは、実現に必要な要素をすべて備えています。誰の目にも明らかでしょう。こんなことを言えるのは久しぶりのことです。
変更となる可能性はどの選手にもあります。常に誰かが注目や議論の対象になります。
今回はKRIMZが対象かもしれませんが、過去には他の選手が対象でした。
朝にチームを強化できる選手を獲得できるチャンスが出てきたならば、即獲得に動きます。
そこに躊躇は一切ありません。それがFnaticのやり方です。
他の選手たちに、Fnaticは最高のチームを作るために取り組んでいると確信してもらえる文化を創り上げていきたいと思っています。
何もせず動かないのではなく、優れた選手を探す努力をしていることを理解してほしいと思います。もしあなたが本当に素晴らしい選手ならば、最高のチームを作ろうとしているFnaticでプレーしたいと思ってもらえるはずです。
つまり、安泰な選手はいないということです。eスポーツはそうあるべきだと思います。
結局のところスポーツなのです。過去にどのような実績を残してきたか、Fnaticにとって重要だったかは関係ありません。
本当に重要なのは、いまのチームに何をもたらすことができるか、ということです。
そして、移籍市場にどのような選手がいるかも大切です。
状況が変わったときに、チームのニーズに適合し、獲得可能で、本人もチームに加わることが望んでいる、現在の選手と同等かそれ以上のインパクトをもたらすことができるのであれば、私たちは獲得に動きます。
全員をウクライナの選手に変更する計画があるかという質問についてですが、その予定はいまのところありません。
現在の体制で進化を目指しながら、今後を見守っていきます。
メジャーが終わった後に、改めて状況を踏まえて判断することになるでしょう。
それが一番良い方法だと思います。
応援は選手の原動力になる
Ross
動画をごらんいただいたみなさん、ありがとうございました。
少し退屈に思うところがあったかもしれませんが、Discordで寄せられた質問に答えながら、チームの内情をお伝えしたいという意図がありました。
みなさんがエキサイティングな気持ちで今年を終えることができる結果になることを願っています。
メジャーでの応援をよろしくお願いします。
Frag Blocktober 2025でもみなさんの応援が本当に力になりました。応援は間違いなく結果に影響します。blameFやfearもそう言っていました。
応援が届いていないと感じる事があるかもしれませんが、応援は届いています。選手たちにとって応援があるかないかでは大きな違いになります。応援は選手たちの原動力になっています。
これからも応援をよろしくお願いします。
PGL Masters Bucharest 2025とStarLadder Budapest Major 2025でお会いしましょう。
選手たちにメジャーでのプレーを楽しみにしているとメッセージを送って下さい。
楽しみな時期がやってきました。大会が待ち遠しいです。
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