情報元 https://fnjpnews.com/News/63883
Epic Games、ArtStationとSketchfabをKitBashに売却 UE6・フォートナイトなどの開発を優先へ
Epic Gamesは8月10日、同社傘下のクリエイター向けプラットフォーム「ArtStation」と「Sketchfab」をKitBashに売却したことを発表しました。

買収するKitBashは、3Dアセットプラットフォーム「KitBash3D」や「Greyscalegorilla」を展開する企業。ArtStationとSketchfabは今後、KitBashの一部として運営されます。
Epic Gamesは今回の売却にあわせて、今後もUnreal Engine 6、フォートナイト、開発者エコシステム、Epic Games Storeの構築を優先していく方針を明らかにしています。
ArtStationとSketchfabをKitBashに売却
Epic Gamesが売却したのは、デジタルアーティスト向けプラットフォームの「ArtStation」と、3Dモデルの公開・共有サービス「Sketchfab」です。
KitBashは、映画・ゲーム・VFXなどで利用できる3Dアセットを提供する「KitBash3D」と、3D制作向けのマテリアルやツールなどを提供する「Greyscalegorilla」を運営しています。
今回の買収によって、ArtStationとSketchfabが持つ作品の公開・発見機能と、KitBashが展開する3Dアセットや制作ツールを組み合わせ、アイデアの制作から作品の公開、キャリア形成までを支えるクリエイターエコシステムを構築していくとしています。
なお、公式発表では売却額などの具体的な取引条件には触れられていません。
Epic GamesはUE6・フォートナイトなどを優先へ
今回の売却発表で特に注目されているのが、Epic Gamesが今後の優先事項を明確にしたことです。
Epic Gamesは公式ニュースで、ArtStationとSketchfabがKitBashに加わる一方、同社は引き続き以下の分野を優先するとしています。
- Unreal Engine 6
- フォートナイト
- 開発者エコシステム
- Epic Games Store
ArtStationとSketchfabの売却によって生じるリソースを、これらの事業へ直接振り分けるとまでは発表されていませんが、Epicが自社の中核事業としてどこに注力していくのかが改めて示された形です。
特に、今後のUnreal Engineを担う「Unreal Engine 6」と、Epicの中心的なゲーム・プラットフォームとなっているフォートナイトが明記されている点は注目されます。
ArtStationとSketchfabはこれまで通り利用可能
運営会社が変わるものの、現時点でArtStationとSketchfabのユーザーが利用方法を変更する必要はありません。
ArtStationは、今回の売却後もポートフォリオ、ライブラリ、主要なワークフローをこれまで通り維持すると説明しています。ログイン情報や過去にアップロードした作品についても変更はありません。
ArtStationでは引き続き、
- ポートフォリオのアップロード
- ブログの投稿
- 2D・3Dアセットやプリントの売買
- 求人情報の検索・掲載
- アーティストや人材の検索
などを利用できます。
有料サービス「ArtStation Pro」についても、現時点では変更されないとしています。
Sketchfab側も、ArtStationとともにKitBashの一部になると発表しており、既存サービスを継続する方針です。
投稿した作品の権利も変更なし
ArtStationを利用しているクリエイターにとって気になる作品の権利についても、今回の売却による変更はありません。
ArtStationは公式FAQで、投稿した作品や知的財産権は引き続きクリエイター本人に帰属すると明記しています。
KitBashも、クリエイターの所有権、クレジット、創作上の権利を保護していく方針です。
KitBash共同CEOのBanks Boutté氏は、ArtStationとSketchfabについて、世界中のアーティストや3Dクリエイターがポートフォリオやキャリア、コミュニティを築いてきた重要な場所だと説明。
まずはユーザーが大切にしているものを守り、コミュニティの声に耳を傾けながら将来を構築することを最優先にするとしています。
Epic GamesとKitBashの関係は今後も継続
ArtStationとSketchfabを売却したことで、Epic Gamesと両サービスの関係が完全になくなるわけではありません。
Epic GamesのUnreal Ecosystem担当SVPであるBill Clifford氏は、KitBashとEpic Gamesには長年のパートナーシップがあるとし、今後もクリエイター向けにオープンでアクセスしやすいプラットフォームを提供するため、協力を続けていくとコメントしています。
所有会社はEpic GamesからKitBashへ変わりますが、3D・Unreal Engineを中心としたクリエイターエコシステムでは引き続き関係が続くことになります。
Epic Gamesは2021年に両サービスを買収していた
ArtStationとSketchfabは、もともと別企業として運営されていましたが、いずれも2021年にEpic Gamesが買収しています。
Epic Gamesは2021年4月30日にArtStationを傘下に加え、ゲーム・メディア・エンターテインメント分野のクリエイターが作品を公開し、仕事を探したり収益化したりできる環境を拡大していくと発表していました。
続いて2021年7月21日にはSketchfabを買収。当時Epic Gamesは、3D・AR・VRコンテンツをより利用しやすくし、オープンなクリエイターエコシステムを拡大することを目的としていました。
それから約5年を経て、両サービスはEpic Games傘下を離れ、KitBashへ売却されることになります。
KitBashによる大きな変更は現時点でなし
今回の買収を受け、ArtStationやSketchfabがすぐにKitBash3Dへ統合されたり、大規模な仕様変更が行われたりするわけではありません。
KitBash側は、まず既存ユーザーが大切にしているものを維持しながら、コミュニティの声を聞いて今後の方向性を決めていく姿勢を示しています。
そのため、ArtStationやSketchfabを現在利用しているユーザーは、今回の売却を理由にアカウント移行などを行う必要はありません。
一方のEpic Gamesは、UE6、フォートナイト、開発者エコシステム、Epic Games Storeを今後の優先分野として明記しました。
2021年に買収した2つのクリエイタープラットフォームを約5年で手放すことになったEpic Games。今回の売却が同社の事業整理の一環なのか、そして今後フォートナイトやUnreal Engineを中心としたエコシステムをどのように拡大していくのかにも注目です。
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