情報元 https://esports-world.jp/interview/37618
『VALORANT』の国内リーグ「VALORANT Challengers Japan 2024 Split 1」のプレーオフ準決勝戦・決勝戦が、3月30日(土)〜31日(日)に開催された。FENNEL(FL)、Sengoku Gaming(SG)、REJECT(RC)の国内の強豪チームが白熱した試合を見せ、会場を大いに盛り上げた。
準決勝となるDay1では、SG vs FLの対決が行われた。序盤からスリフティー(敵よりも安いクレジットを消費して勝利すること)が連発し、さらに5マップ目までもつれ込む文字通りの激戦であった本試合。最終マップの「スプリット」では、8:4でSG優勢のまま前半を折り返すも、FLが怒涛の追い上げを見せ、見事9-13で勝利。翌日のRC戦へと駒を進める形となった。
今回は、Day1の試合終了直後に行われた同チーム所属のCLZ(くるず)選手にインタビューを行った。その様子を余す所なくお届けしよう。
▲FENNEL CLZ選手
あくびが出るくらいリラックスできた
——本日はおつかれさまでした!
CLZ:ありがとうございます!
——今の率直な感想をお願いします。
CLZ:今日の試合はBO5で、ほとんどフルラウンドをプレーするような長い試合だったんですが、IGLになって初めてこんなに大変な試合をやった気がします。一番プレッシャーのかかる試合で、大変でした。
vs sengoku gaming 3-2win!!!
本当に疲れた😭
脳みそなくなる遠くから応援しに来てくださった方、配信で応援してくださった方本当にありがとうございました😢
明日のreject勝ちます🔥 pic.twitter.com/0JjM68iwXu
— CLZ【FENNEL】 (@Cluzqhi_3) March 30, 2024
▲試合が終了したのが夜10時ごろ。チームを率いながら、長丁場を見事戦い抜いた。
——VCJにおいて3度目となるオフライン試合ですが、今回プレーしてみて実際にどう感じましたか?
CLZ:僕個人は今回の大会で、本当に1ミリも緊張してなくて(笑)。今までの大会では結構緊張があって、大会前の大きい音を聞くと心臓の鼓動が速くなったりしていたんですけど、今日はそういうのがまったくなくて、そこが成長したなと思いました。
試合中もうあくびが出るくらいリラックスした状態で挑めたので、3回目のオフラインの経験を感じましたね。
——それはやはり「慣れ」というところですか?
CLZ:そうですね、慣れです。
——先ほどお話にもあったように、今試合は非常に接戦だったと思います。実際に対戦してみて、その理由はどの部分にあると思いますか。
CLZ:優秀なアナリストのいるSGは「対策がうまいチーム」だと思うので、そういったところで前回よりも厳しい戦いを強いられたのだと思います。
それに加えて、SGはすごく長い準備期間があったと思います。一方で僕たちは、いろいろと問題があって、エージェント構成やディテールも変える時間がなかったので、そういった部分で2マップ取られてしまったのかなと思います。
——そんな中、最終マップでは怒涛の追い上げを見せ、見事逆転して勝利を収めました。今回CLZ選手にとって、SG相手に勝ちきれた要因はどこにあると思いますか。
CLZ:「負けてる」っていうムードや感情に左右されないよう、コーチにずっといわれ続けている「次のことしか考えない」を守っていたら、結構ラウンド差も詰まっていて、いつの間にか逆転していたという感じですね。
——プレッシャーはありましたか。
CLZ:プレッシャーを感じる瞬間もありましたが、それを考えることで上書きしました。とにかく考え続けて勝ちましたね。
クラッチしても感情があまり動かなかった
——1マップ目のブリーズでは、両チームがヨルを採用するという構成を見せました。実際に試合の中でヨルを使ってみて、どう感じましたか。
CLZ:僕個人はヨルをランクでは使ったことがあまりなくて、ヨルの経験もブリーズの経験も浅いので、かなり浅いヨルだったと(笑)。
▲両者ヨルを採用したエージェント構成。海外では既に多く採用されている
——そうだったんですね(笑)。
CLZ:決してうまくない、ただローテーションとして使おうみたいなヨルでしたね。まだそういったところでレベルは低いなとは思うんですが、単純にエージェントとしてヨル自体は強いので。だから使っていたという感じですね。
——SG側もヨルを出していましたが、ヨル構成と対戦してみての感触はいかがですか。
CLZ:今のブリーズは、ヨルを採用する構成がメタというか。
——それはAホールが開通してからですかね?
CLZ:そうですね。ホールが開通してからも「ジェット+ヨル」だったりが多かったり。スクリムでもよく見かけるので、ヨルが出たこと自体にそれほど驚きはないですね。
——つまり、ある程度把握はできていたということでしょうか。
CLZ:はい、ある程度把握した上で対戦してました。
——同じくブリーズで、1on2クラッチを見せたシーンがあったかと思いますが、実際にあのプレーを決めたときはどう思われましたか?
CLZ:いや……。今日はクラッチを結構したんですけど、本当に感情があまり動かなくて(笑)。
試合の流れのひとつ程度にしか思えなかったです。なんか本当に変わったというか、あまりもう上がることはないですね。
——明日の決勝はREJECT(RC)戦です。RCのどういった部分に気をつけたいですか。
CLZ:RCはとにかく対面の撃ち合いが強いイメージがあるので、その撃ち合いに負けてしまったら、試合にも負けてしまいます。なので、「撃ち合いに勝つ」というのが、単純なんですけど一番重要かなと思っています。
ただ、気をつけるというよりかは、勝つというマインドでしかやってないです。
——ちなみにですが、今日の撃ち合いはどうでしたか?
CLZ:Xdllだけ爆上がりしてたけど、多分他の選手はあまり調子が良くなかったのかなと思います。本調子ではなかったというか。特にSyouTaはもっとできる選手なので。
CLZ選手に聞く、新エージェント「クローヴ」
——少し話は変わりますが、先日、新エージェント「クローヴ」がお披露目されました。既に実装されていますが、プレーはされましたか?
CLZ:プレーしたことはないですけど、よく見てますね。
——率直にどう思われましたか?
CLZ:スモークを持ってるデュエリストというイメージですね。死んでもスモークが焚けるので、VALORANTが今後もっとアグレッシブなゲームになるんじゃないかと思います。
▲デスした後もスモークを発生させることができる「ルース」。コントローラーながら、前線での活躍が期待できる
それは自分にとって、めちゃめちゃ楽しいゲームになると思うので、なんというかすごくうれしいキャラクターだなと思います。
コントローラーを使っている人たちは、いつも「撃ち合えない、撃ち合えない!」って言ってるので、そう考えると、めちゃくちゃいいエージェントが出たなって感じですね。
——今後、競技シーンでも見られると思いますか?
CLZ:あるとは思いますね。特にアグレッシブなプレーをするチームは、採用するんじゃないかと思います。
——では最後にファンの方々に向けて、メッセージをお願いします。
CLZ:遠いところから応援に来てくださった方も、配信を見ながら応援してくださった方も、本当にありがとうございました。
いつも応援のおかげで頑張れています。だから今日は勝てたのだと思います。本当にありがとうございます。これからも応援よろしくお願いします!
▲温かい声援とたくさんの応援ボードが会場に溢れていた
——最後に、明日の決勝に向けての意気込みをお願いします。
CLZ:明日は、危なげない試合で自分たちの力を全部発揮しきって、日本一だということを証明したいと思います!
——ありがとうございました!
———
▲抱き合うDerialy選手(左)とSyouTa選手(右)。長い戦いを終え、お互いを称え合った
ハラハラさせられる展開も多く、スーパープレーが幾度となく飛び出した今試合。特に最終マップのスプリットでは、SGの猛勢を見事にいなし、劇的な逆転の展開を見せた。筆者個人的にも、見ていてとても面白い試合だったと感じる。
選手にとっては非常に大変な試合だったことは間違いないだろうが、CLZ選手にとってはもう慣れたもののようだ。ちなみにだが、インタビューの対応ももう慣れたもので、スラスラと質問に答えていたのがとても印象的だった。
大会やイベントにもすでに慣れたであろう彼らは、これからどのようなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。Split1・Split2と大会が続く中、今後の活躍にも期待したい。
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関西を拠点にする男性コスプレーヤー。イベントや大会によくコスプレ姿で出没する。2021年頃から『VALORANT』にハマり、競技シーンを追い続ける。現在の推しチームは「CREST GAMING」。
X:@mlunias(Photo by Subaru.F.)
情報元 - 【FL CLZ選手インタビュー】「あくびが出るくらいリラックスできた」――3回目のVCJオフラインで見せた経験の差とは