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【EVO Japan 2024 ウイナーインタビュー】チクリン選手が語る『鉄拳8』の魅力とリリを選んだ理由

情報元 https://esports-world.jp/interview/38437

世界規模の格闘ゲームの祭典「EVO Japan 2024 Presented by ROHTO」が2024年4月27日(土)〜29日(月・祝)にかけて開催され、『鉄拳8』部門で、日本のチクリン選手が優勝した。

目次

シリーズ初の家庭用先行リリースとなった『鉄拳8』

『鉄拳8』部門のエントリー総数は1247名。2024年1月26日にPlayStation 5、Xbox Series X|S・PC向けにリリースされたばかりで、今大会は『鉄拳8』を用いた最初の国際的な大会となった。

実は『鉄拳』シリーズは7までは、すべてアーケード筐体が先行リリースされ、のちに家庭用ゲーム機に移植されてきた。『鉄拳8』は初の家庭用・PC先行リリースのタイトルでもある。それにより、1月の発売からわずか4カ月足らずで開催された「EVO Japan 2024」でも、世界中のプレイヤーが対応できるところにつながったのかもしれない。

『鉄拳』のeスポーツとしては、年間を通して「TEKKEN WORLD TOUR」(TWT)を開催しており、選手も世界各地への遠征やオンライン大会に参戦している。

国際大会の中でも「EVO Japan」は、2019年にパキスタンから彗星の如く初参戦して優勝したアルスラーン・アッシュ選手のように、『鉄拳』コミュニティにとってもインパクトの大きな大会のひとつと知られている。しかし、2023年優勝のアルスラーン・アッシュ選手は出場しなかったり、『鉄拳8』への変更によるものか国内外の強豪選手がプールで敗退するという事態に陥った。

互いにキャラ変更を余儀なくされたグランドファイナル

そんな中でベスト6まで勝ち上がったのは、強豪国として知られる日本と韓国の選手のみ。中でも安定した戦いを見せたのがチクリン選手だった。

チクリン選手は『鉄拳7』時代、初期に仁も使っていたものの、後期にリリースされたギース、豪鬼というコラボキャラを愛用。『鉄拳8』でリセットされたことでこれらのキャラはいなくなり、キャラ変更を余儀なくされたプレイヤーのひとりだったが、これまでほとんど触ったことがなかったというリリをチョイス。過去作から存在したキャラではあったものの、持ち前の“鉄拳力”とキャラとの相性なども相まって、ウイナーズサイドを負けなしで駆け抜けた。

迎えたグランドファイナルの相手は韓国のLowHigh選手。直前にウイナーズファイナルで一度下したが、ルーザーズファイナルを勝ち抜いて再びチクリン選手の前に立った。

1度目の戦いではLowHigh選手はドラグノフを選択したが、リリとうまく噛み合わずに敗退。2度目のグランドファイナルでは『鉄拳7』でメインキャラとして長く使い続けてきたスティーブを選択。素早い技で翻弄していくものの、リリの軸移動により反撃を取られてしまう。

1セットを落としたところでLowHigh選手はドラグノフに変更するが、技の出がかりを止められたり、軸移動からの空中コンボなどでダメージを伸ばしたチクリン選手が、セットカウント3-0で勝利。「EVO Japan」初優勝となった。

優勝直後のコメントでは、自身の優勝の喜びを置いて「『鉄拳8』は毎日本当に楽しく練習できました。ぜひ遊んでみてください」と、『鉄拳8』の魅力をアピールしていたところが、温厚で人望の厚いチクリン選手らしさ全開の表彰式だった。

アーケードから家庭用へ、アケコンからパッドへの「変化」

試合後のインタビューでは、持ちキャラがいなくなった『鉄拳8』へのモチベーション、今大会でのライバルなどについてうかがった。

──「EVO Japan」初優勝、おめでとうございます! 率直な感想をお聞かせください。

チクリン:いや、結構大会に出る前はずっと不安だったんですけど、ちゃんと練習してきたことが全部試合に出せて、優勝できてほんとに嬉しいです。

──『鉄拳7』までの主力キャラだったギースと豪鬼がいなくなってしまいましたが、『鉄拳8』でリリを選択した理由は?

チクリン:カウンターが強い技が結構好きなんですけど、リリはカウンターが強いことと、機動力というか横移動が強くて、やれることが本当にたくさんあって面白いですね。

──『鉄拳7』の時は使ったことはありましたか?

チクリン:ちょっと触ったくらいでした。

──チクリン選手といえば、2019年の「TWT」世界一にもなっていますし、2023年も3位と名実ともに世界トップの選手です。「EVO Japan」はどういう大会ですか?

チクリン:もう本当に国際大会の中では、優勝したら世界一に近い大会なのかなというくらい、自分の中で大きい大会です。

Knee選手にどこまで通用するかがカギだった

──『鉄拳7』から『鉄拳8』になって、どんなところ、戦い方などが変わったと感じますか?

チクリン:やはり今までアーケードからスタートだったので、まず家庭用ですぐ触れるというところで、毎日すごく楽しく練習できたと思います。『鉄拳8』から、デバイスもアケコンからゲームパッドに変えたりして、そういう部分もちょっと新しくて、ゲーム自体も面白い。練習も毎日楽しみですね。

──グランドファイナルはLowHigh選手でしたが、他にもDRXの選手が大勢いたり、日本のDouble選手もいたりと強豪ぞろいだったと思います。一番きつかった選手は誰でしたか?

チクリン:やはり最初に意識していたのはKneeさん。自分の中では本当に世界最強の人だと思っていますし、大会で負けることも多かったので。ただ、『鉄拳8』になって自分の戦い方がすごく変わっているので、それがどこまで通用するのかという感じで、結果うまく戦えましたね。

──優勝者コメントで「ぜひ『鉄拳8」を遊んでください」というファンへのメッセージもありましたが、あらためて『鉄拳8』の魅力を教えてください。

チクリン:3Dなので奥行きがありますし、キャラクターひとりひとりがモーションとかも取って作られていて動きがすごいです。ゲーム性としては、今回から採用された「ヒートシステム」により攻めが強くなっていますので、今までみたいに守って、守って、やっと反撃! みたいな感じではなくんで、新規のプレイヤーでも攻めることができるのが面白いと思います。

※ ※ ※

世界一になっても地元長崎を中心として活動し、ゲーム以外の場面では最強プレイヤーという雰囲気を見せないチクリン選手。あまり表情を変えることなくクールに戦っているように見える彼が、優勝した瞬間に見せた噛み締めるような小さなガッツポーズをした後、ファンの前で大きく両手を振り上げたシーンがとても印象的だった。

『鉄拳8』シーンはまだ始まったばかり。まだ攻略が進んでいない新キャラや、これから登場するキャラも待っている。チクリン選手を倒す新たなスターは現れるのか。本家「EVO 2024」や「TWT」でのプレイヤーの活躍も楽しみだ。

EVO Japan 2024 Presented by ROHTO
鉄拳8部門 リザルト(ベスト16)


優勝 チクリン
2位 LowHigh
3位 CHANEL
4位 Mangja
5位 double
5位 Infested
7位 JeonDDing
7位 Tekken Master
9位 Yagami
9位 Mulgold
9位 kkokkoma
9位 CBM
13位 Book
13位 Rangchu
13位 PINYA
13位 Meo-IL

EVO Japan 2024 Tekken 8リザルト(start.gg)
https://www.start.gg/tournament/evo-japan-2024-presented-by-rohto/event/evo-japan-2024-tekken-8-2

EVO Japan 2024 Presented by ROHTO
https://www.evojapan.gg/

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